河忠酒造さんは長岡市の脇野町にあります。町村合併以前は三島郡脇野町でした。三島地域は、東側の平坦地に水田が広がり、西側の西山丘陵には、豊富な里山資源のある山間地が広がっています。この恵まれた自然環境の中に河忠酒造さんは、江戸中期から酒を造り続けています。
創業 明和2年
創業は明和2年(1765年)。250年の酒造りの歴史に支えられた長岡の酒蔵です。
江戸時代中期となる明和2年は、五匁銀貨が作られた年ですが、大きな災害もなくおだやかな年だったようです。
環境と水
信濃川と日本海の間に位置する脇野町には、信濃川の支流となる黒川が流れています。この黒川のほとりに河忠酒造の酒蔵はあり、背後に連なる西山連山からは長岡平野と日本海が見渡せます。黒川を挟んで対岸には長岡平野がひろがり、豊かな自然ときれいな水に恵まれた脇野の地は江戸時代から醸造業が盛んとなり、たくさんの蔵人がその技を磨くこととなりました。「想天坊」の仕込み水は、口に含むとほのかに甘い西山連山の伏流水を、敷地内の井戸から汲み上げて使用しています。
米作り
「想天坊」の仕込みに使われる原料は希少米となった「高嶺錦」を主体に、地元長岡みしまの水田で収穫される酒米を使用しています。
「高嶺錦」は「亀の尾」の孫にあたる品種で、昭和40年代には広く作付けされていました。当時は新潟の吟醸造りに欠かせない米として、新潟の酒造技術の発達に大いに貢献しましたが、科学農法に対応した新品種の普及により作付面積は減少することとなりました。しかしながら、蔵の伝承する「越後流」の醸造技術と仕込み水となる西山連山の伏流水との相性が良いことから、現在は「あいがも農法」による「高嶺錦」の栽培を行っています。
酒造り
良い酒をつくるためには、良い米で良い蒸し米を造ることが大切です。
この蒸し米の良し悪しが酒の良し悪しを決めてしまうことになります。そのため手間はかかりますが、甑という蒸し器を使って、むらが少なく米の内側がやわらかい蒸し米を造って麹造りを行います。
そして希少米「高嶺錦」を使い西山連山の仕込み水で地元に根ざした酒造りを行うことは、長岡三島の個性を生み出すことになります。「想天坊」は、「きれいなうまみが感じられ、ふっくらとして、すっとキレのある『淡麗旨口』の味わい」を目指しています。
■所在地:新潟県長岡市脇野町1677番地
■TEL:0258-42-2405
■創業:明和二年(西暦1765年 江戸時代)
★寄り道スポット
河忠酒造さんは酒蔵見学を行っていませんが、脇野町にはたくさんの酒蔵があり、風情のある町並みが残っています。
酒造りに豊かな湧き水があることが欠かせませんが、そうめんやうどん作りにも大切で、そばやそうめんの名店があります。
★麺処 つるりん房
まるや君が代(君が代製麺のほうが地元では有名)さんは創業明治18年の麺作りの老舗。
製麺所の入り口に「麺処 つるりん房」があります。こちらは直営店で、お店専用の麺を使ったメニューがいただけます。
日本庭園の落ち着いた雰囲気のお店で、春から秋のテラス席で食べる湧き水の流しそうめんが人気です。
住所:長岡市脇野町2015
TEL:0258-41-2288
営業時間:
午前11時~午後2時半(土・日・祭日は午後3時)
定休日:無休 但し、12/31~1/3・特定日は除きます。(特定日はHP上で確認してください。)
HP:http://www.kimigayo-niigata.jp/
河忠酒造のお酒は、オンラインショップ「YK-Life」がお届けします。